[本など]好きなようにしてください

いつもおなじみ、山形大学の大学職員のブログをきっかけにこの本の著者を知りました。Amazonで名前で検索して、面白そうなタイトルのものを選びました。あとは、久しぶりにビジネス書が読みたくなったのがきっかけです。

著者の楠木氏は、経営学の研究者です。

読書離れしていた自分にとって、ちょうどいい文章の難易度とリズムで楽しく読めました。

NewsPicksというサイトで、著者がキャリア相談に答えていたものを再編集して書籍化したのがこの本です。

結構ズバズバとした物言いで、そこがまた痛快で読んでいてとても面白いところです。育休で鈍り切っていた頭に程よい刺激になりました。

質問内容は、自分のキャリアパスや転職すべきかどうか、職場での立ち振舞いなどなど様々です。楠木氏の回答は基本的には、タイトルの「好きなようにしてください」なのですが、その後に続く楠木氏の考えや余談がとても面白いです。

大学に通うことの意味についても書かれていて、私は大学職員なのでこの人の大学観はなるほどと思いました。

大学でまとまった期間勉強して考えてみるという行動は、長い目で見れば、その人の人生の基盤を形成するのに役立つことが少なからずある

大学とはそもそも実務研修をする場ではなく、みずからの価値基準をしっかりと定める教養を得るための機会と場所を提供するもの。

この回の質問者は、大学の意味をステータスでとらえていて、学費がそのステータスと見合っているかどうかという損得勘定で考えています。楠木氏は、「あなたの若さを割り引いたとしても、いかにも思考様式が浅い。」、「おそらくあなたは大学でまともな勉強をしてこなかったのではないでしょうか。自分の頭とコトバで考えるという人間としての基礎的な鍛錬に欠けている。」とかなりキツめの回答をしていました。

楠木氏の言う、「時間とかお金とか努力などを投入した「瞬間に返ってくるもの」を期待して人生の損得勘定をしている人」が若い人にいるというのは私もたまに感じていたので、こういうコスパしか考えられない浅い人間に対してズバッと言ってくれるのはスッキリしました。

大学以外にも仕事への向き合い方など参考になる点がたくさんあり、久しぶりにアンダーラインをたくさん引いた本でした。

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