以前、すごいブログとこれからの大学職員というエントリで触れた本を読み終わった。結構前に読み終わっていたが、ボリューミーな本だったので、うまく消化できていなかった。未だに消化しきれていない部分もある。
話の内容はかなり壮大で、自分にはついていけない部分もあった。読むと息切れするような本である。今、ジリ貧の日本をどうやって良くしていくか?というのを考える本である。
これを読んで一介の大学職員に何ができるんだ?と軽く絶望してしまう。
そのうえで、何ができるのか?
大学職員としては、第5章「未来に賭けられる国に――リソース配分を変える」だけでも読むといいと思う。
本の中で、著者が文科省の課長級の職員と話したときに、「国立大学の数を絞らなければやっていけないのでは」という言葉を聞いたという話が出てくる。かなり怖い話である。文科省の偉い人はほんとにこんなこと言ってるんだ、とちょっとビックリした。教育・研究に充てられるお金が足りないそうだ。
本書は、色んなデータを使っていて、とにかく、日本は科学技術予算が足りてないことがわかる。
研究支援は、成果が出そうな分野、産業界から需要がある分野ばかりに資本を投下しないで、基礎研究など裾野を広く支援していく必要がある。つまり、文科省がよく言う「選択と集中」とは真逆の政策をする必要がある。このことは、「大学改革の迷走」という本でも言われている。
この著者の提言が、文科省や財務省に採用されることを祈るばかりである。
また、「求められる人材とスキル」という章で、
現在、この日本の教育システムが生み出す最高の人材は、テレビ番組でクイズ王になる、教育評論家や予備校講師になるぐらいしかないという残念なことになってしまう。
と言っている。これはもしや、あのユーチューバーのことかなあ、と思った。
国の人材育成は、とても大事だと思う。ただ、著者がこの本で述べる人材は、勝ち組の人達だけなのでは?とも思う。そうじゃない人はどうすればいいの?という辺りには触れられていない。
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この本が書かれたあとに、コロナウイルスの騒ぎが出たので、世界経済も日本経済もさらに悪化するはずである。
当事者意識を持って、この本の内容を自分に落とし込むことはとても難しい。ただ、本を読んで現状を把握して個人で行動できそうなことはある。読むのは大変だが、自分の住む国の今後を考えるなら、必要な本だと思った。
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