著者の石井氏は、「遺体」などが有名で、前からよく知っている人でした。この本は、読書会用に読みました。
単にタイトルだけだったら、買わなかったかもしれません。著者が石井氏だったので気になって買いました。
タイトルに「育児」とついてますが、現代の子ども全般に関する取材をまとめたルポルタージュです。幼稚園・保育園から高校までを取材して、今の子どもたちの教育状況などを細かく書いています。
幼稚園の章では、びっくりするような事例がいくつかありました。特に、公園に連れて行っても遊び方が分からなくて立ちすくんでしまうような子どもが結構いることに驚きでした。これは、都会だけの事例かとも思いましたが、外であまり遊んだことのない子どもが多いのは事実のようです。
中学生くらいの子どもについては、コミュニケーションをあまり取りたがらない子どもの話がありました。自分のことは分かってもらえて当たり前。少しでも理解されないと、もう拒絶してしまう、といった子が多いようです。理解できない相手のことはどうでもいい。理解するのは面倒だという考えです。
また、言い訳が達者だという高校生の話も印象的でした。先生に注意されても謝るのではなく、ひたすら自分のしたことを正当化して言い訳を繰り返す子どもが多いそうです。先生も納得させるのに時間がかかるので大変だ、というインタビューもありました。
先生曰く、悪いことをしたときに指摘される経験があまりないから、こういうときに必死で自分を守ろうとする、とのことでした。
あとがきで著者は、この本のないようは特殊な例かもしれないが、今の子ども達をとりまく環境を作ってきたのは大人の責任であると述べています。子どもは、まずは親を見ながら育つので、子どものためにいい環境を用意していかなくてはならないなと感じました。
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